なんたる犠牲!(ロス・カプリチョス)
フランシスコ・デ・ゴヤ
1799
エッチング・ドライポイント・アクアチント
19.8 x 14.8 cm
メトロポリタン美術館蔵
この版画は、ロス・カプリチョスという全部で80点ある連作の中のひとつです。ロス・カプリチョスとは「気まぐれ」という意味で、ありとあらゆる奇怪で滑稽な風景が次から次へと描写されています。ここにあげた作では、脚が曲がって背中に瘤のできた醜い貴族の男に、うら若い女性が差し出されています。いかにも淫らそうに女に近寄る好色な男が見飽きませんね。周りの連中は、女を差し出す側だったり、差し出される側だったりするのでしょう。さまざまなしぐさと表情をしています。