バルコニーのマハたち
フランシスコ・デ・ゴヤ
1800–1810年
油彩
125.7cm × 194.9cm
美しく着飾った若い二人の女と、その後ろに立つマントと帽子で姿を半分隠した怪しげな二人の男を、色彩的にも心理的にも強く対比させた、いかにもゴヤらしいモチーフです。一説には、この女性二人は娼婦で、後ろの男は女衒あるいは客と言われているようです。この「バルコニーの女たち」には、ゴヤが先に描いたオリジナルと呼ばれる作品があり、このメトロポリタンの作はゴヤによるコピーと言われています。オリジナルとこの絵は、男や女の向きやその表情などが異なっており、単純な写しではなくバリエーションと言ってもいいでしょう。ただ、このメトロポリタンのものはゴヤ本人の絵ではない、という説もあり、いまだに決着はついていないようです。