サント・ヴィクトワール山
ポール・セザンヌ
1902–06年
油彩、キャンバス
97 × 57 cm
メトロポリタン美術館蔵
サント・ヴィクトワール山はフランス南部にある全長18km以上の石灰岩の山で、当時セザンヌが住んだ家から見える位置にあったそうです。彼はこのサント・ヴィクトワール山を描いた画布を、油絵と水彩画でそれぞれ40点以上残していて、さまざまな形でこのモチーフを追及しました。ここで展示している作品は、その中でも比較的晩年に近いものです。このころになると、対象のディテールは隠れがちになり、筆ひと刷けの小さな色面を緊密に組み上げて画布を構成するような手法が取られているのが分かります。セザンヌの飽くことのない、絵画に対する探求心を見ることができます。