浮世絵 (MET)

 
メトロポリタン美術館は浮世絵の宝庫です。500点以上の質の高いコレクションがあります。ここでは、その膨大なコレクションの中からいくつかピックアップして展示しています。
 
 
浜松 冬枯の図
歌川広重
1834年
版画 大判
71 x 48 cm

広重の有名な連作の東海道五十三次の中のひとつです。浜松の冬に旅人たちが焚火に当たっているところが描かれています。焚火からもくもくとぼかしもなく立ち上る煙と立木のコンポジションが見事です。尻をまくり上げて焚火で温めてキセルを吸う男は、右奥に広がる遠景の中の浜松城を眺めているようです。
 
 
無題
鈴木春信
1768年
版画
29.2 x 21.3 cm

鈴木春信は、江戸時代中期の浮世絵師です。細身で可憐、繊細な表情の美人画で人気を博しました。この絵では、若い男が、雪道の中、恋人の下駄を直すのにかがんでいるところを描いています。上にある詞書には、「今日でも通りはほとんど人が通れない。明日に雪が降ったら、彼が来てくれることは期待できない」という意味のことが書かれています。
 
 
阿千代(叱責)
富岡永洗
1895年
版画
22.6 x 28.3 cm

富岡永洗は、明治時代の浮世絵師、日本画家です。明治年間には特に艶やかな美人画で評判をとりました。雑誌の挿絵画家としても活躍し、ここにあげた作品は、雑誌「文芸倶楽部」の挿絵です。