キリストと聖母のとりなし
ロレンツォ・モナコ(伝)
1402年以前
テンペラ、キャンバス
239.4 x 153 cm
中央下にまとまって描かれている、著名なフィレンツェの一族8人と思われる人物たちに代わって、キリストと聖母が父なる神に慈悲を求めて嘆願しています。当時の描かれ方のヒエラルキーに従って人物たちはかなり小さく描かれています。キリストは脇腹の傷を指して「主よ、あなたが私に受難を望んだところの人々を救いたまえ」と言い、聖母は片方の乳房を抱き、「息子よ、私があなたに与えた乳のために、彼らに慈悲を与えてください」、と嘆願しています。父なる神の天からの現れ、聖霊の鳩、ひざまずくキリストが三位一体を表しています。この大胆な祈りのイメージのドラマを伝える絵は、元は聖堂の入り口に掛けられており、14世紀後半のフィレンツェの絵画に典型的なコンポジションを表しています。