レンブラントの油絵(MET)

 
レンブラントは17世紀のオランダを代表する大画家です。肖像画家として多くの肖像を残すとともに、宗教や神話に基づくさまざまな画布を残しており、その数は膨大です。テクニックは卓越していて、滑らかな油絵具の層に加えて、筆あとの残る素早いひと刷けやひと突きを使って描かれています。特に人物の肌の表現は見事で、近づいて見たときの赤や黄や白が自然に流れる筆触で混じり合う美しい画肌が、距離を離して見ると途端に血が通い体温が感じられる人間の肌に変じるところなど、その変化は劇的で神秘的です。多くの光景が、独特な深い黒い背景から、光を受けて浮かび上がります。当時におけるレンブラントの影響は絶大でしたが、さらに後世における油絵の歴史にも、多大な影響を及ぼしました。
 
 
ピンクの装いの女
レンブラント・ファン・レイン
1660年前半
油彩、キャンバス
75 × 92 cm
メトロポリタン美術館蔵


 
 
男の肖像
レンブラント工房
1658–62年
油彩、キャンバス
86 × 109 cm
メトロポリタン美術館蔵

 
 
若い自画像
レンブラント
1606–1669年
油彩、キャンバス
17 × 22 cm
メトロポリタン美術館蔵